「知能の相転移」
さて、これらのAIの発展は、昨年、イラストを自動で生成する「Midjouney」なるツールが発表されたことをキッカケとして、この半年で劇的に進化していっている。
こうした状況は「知能の相転移」であると解説される。相転移とは、ある温度を境に、液体がいきなり固体や気体に変化することなどを指しており、物事の真理を、積み重ねによる連続的成長ではなく、ある瞬間を境に一気に状態が変わることで説明しているのだ。
つまり、人工知能でも同じことが起こっているのだ。水が0度を境にいきなり氷になるように、人工知能が吸収すべきデータが一定量を超えたため、いきなり、人類を超える知性や創造力を発揮し始めた、と考えられているのだ。
この延長にはまさに、『火の鳥 未来編』が描いたようなディストピアが存在しているのではないだろうか。
少なくとも今後は一層、知的格差が起こっていくことは間違いない。単純なライティング業務を、AIに自動アウトソースすることが可能になっていく中、記事一つを仕上げるにも、それらAIを「プロデュースして使いこなす」という上流工程・頭脳労働による編集力が重要になっていく。
AIを使いこなすハイエンド層と、支配される一般層という二極化が進むことが推察され、ますます、普通に生き抜くことが難しい時代になっていくだろう。
もっとも、有効活用さえできればあなたにとっては明るい未来だ。
【ChatGPTに、自分の業界や分野に特化した情報や最新のトレンドについて質問したり、自分の強みやスキルに関するアドバイスを受けたりすることで、自己アピールやスキルアップに役立つ情報を得ることができる】
この一文自体が、いまこの瞬間「ChatGPT」によって生成したものだというのは、皮肉の限りではないだろうか。