改善されなければ、海外の投資家は去る
このように申し上げると、「そんな固いこと言われても困る。日本の商法や会社法はそこまで厳しくない」という反論が返って来るかもしれない。確かに現時点での実態は、全体平均としたら、にそのようなレベルであるのも事実だろう。だが、少なくともこんないい加減なことをしていたら、グローバルな資金調達は難しくなるであろう。世界の株式や債券の市場では、こうした企業のガバナンスの問題は厳しく見られるからだ。
現在はたまたま日本株はブームとなっている。だが、コーポレート・ガバナンスに甘さがあるのであれば、ブームの出口においては、これを口実として株が叩き売られ、一気に株価の崩壊を招く危険性も否定できない。とにかく、社外取締役を「お飾り」にするのではなく、必要な資質を満たした人材を招聘すべきである。今からでも遅くないので、財界を挙げて検証を行うことを提言したい。