増加の一途を辿る枯渇性資源
エネルギーは、使えばなくなる枯渇性資源、再生可能エネルギー、核エネルギーに分けることができます。それぞれの分類は表の通りです。
枯渇性資源は、やがてなくなると言われながら数十年経ちましたが、消費が減少するどころか、増大の一途を辿っています。
十分な環境対応設備を設置していない途上国では、化石燃料が大気汚染問題も引き起こしています。温暖化問題から消費を抑制すべきとの声もありますが、消費量が増えるのは、木材などと比較しエネルギー密度が高く、価格競争力があるからです。
特に、経済成長に伴いエネルギーを必要とする途上国は、価格競争力のある化石燃料への依存を高めています。
先進国でも脱化石燃料は簡単ではありません。欧州発のエネルギー危機により天然ガス価格が急騰しましたが、欧州の多くの国は節約に努めながらも依然ロシア産天然ガスを利用しています。
途上国でも先進国でも化石燃料への依存は高く、例えば、世界の石炭の消費量は波を描きながらも増えています(図-3)。
消費により埋蔵量は減っているはずですが、新たに発見される資源もあり、世界の化石燃料の可採年数(埋蔵量を年間生産量で割ったもの)は、天然ガスで約50年、石油60年、石炭130年です。化石燃料はまだあります。
再エネが注目を浴びてから50年。なぜ再エネの導入は大きく進まないのでしょうか。
なぜ再エネの導入は進まないのか
二酸化炭素を排出しない再エネは、地球温暖化問題にも貢献しますが、導入のスピードは遅々としています。その理由の一つは、エネルギー密度が低いため、電気に変換してもコストが高くなることです。
もう一つ、やはりコストに結び付く問題があります。風力、太陽光などに依存するので、不安定な発電になる設備が再エネの中心です。そのため、再エネ設備が利用できない時に発電するバックアップ設備が必要になります。