「ポスト・ハマス」で綱引き激化
戦争に終わりが見えない中、イスラエルのネタニヤフ首相と米国のバイデン大統領との間で、「ポスト・ハマス」(ハマス以後)のガザ統治を巡って綱引きも激しくなっている。火を付けたのはネタニヤフ首相だ。首相は12日、米テレビとのインタビューで、戦後もガザの治安の責任を担うと述べ、ガザの占領を続ける考えを明らかにした。
だが、これにはバイデン政権が反発。バイデン大統領自身が18日付のワシントン・ポストに寄稿し、イスラエルの占領に反対する考えを表明、イスラエルとパレスチナ独立国家による「2国家共存」が永続的な中東和平の道だとして、イスラエル側に譲歩を迫った。
大統領はガザの統治は最終的にパレスチナ自治政府に委ねるべきだとの見解を示し、それまでの間、戦後のガザの治安を守るために「国際社会の支援」が必要であることを強調した。大統領の頭にある「国際社会」とは「アラブ平和維持軍」とみられており、すでにアラブ諸国の一部には打診しているようだ。
しかし、ネタニヤフ首相はハマスのテロを非難しないようなアラブ側にガザの治安は任せられないと強く反対しており、すでに停戦をめぐって緊張している両国に新たな難題が持ち上がった格好だ。ハマスに捕らわれた人質解放交渉でも対立しており、ここにきて米、イスラエルの軋みが目立ってきた。
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