イスラエルによるハマスのテロに対する報復がますますエスカレートしている。
11月3日には、パレスチナ自治区ガザで、救急車の車列がイスラエル軍によって空爆された。赤十字・赤新月社の話によると、ガザ市最大規模の病院であるアル・シファ病院で活動していたパレスチナ赤新月社のスタッフ15人が死亡、60人が負傷したとされている。
当初、集中治療室(ICU)にいた患者らをエジプトに搬送するため、5台の車列を組んで南部ラファ検問所を目指していたが、瓦礫で道が通れなかったため引き返したところ、病院から約1キロメートル離れた地点で先頭車両が空爆を受け、病院前の2メートルほどの場所でも攻撃されたという。イスラエルの報復は止まるところを知らない。
この事件を受けて、国連のアントニオ・グレーテス事務総長は「私は、イスラエルでハマスが犯したテロ攻撃や、女性や子供を含む殺害、重傷、誘拐を忘れません。ガザで拘束されているすべての人質は、即時かつ無条件で解放されなければなりません」と述べる一方、「ガザには、十分な食料、水、医薬品が入ってきていません。病院や給水所に電力を供給するための燃料も不足している」と語った。
パレスチナ難民を支援する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の避難所が最大収容能力の4倍近くに達していることや、遺体安置所はあふれかえっており、衛生状況は酷く、特に子供たちの間で病気や呼吸器疾患が増加しており、「国際人道法を尊重し、1日も早い人道的停戦を」と訴えた。
地図から見るハマス攻撃の実態
そんな中、10月7日に起こったハマスの大規模攻撃を示すオンライン地図が公表された。「虐殺マップ(Mapping the Massacres)」と題された地図には、10月7日に起こったハマスの大規模攻撃の位置と、その場所で起こった殺害や誘拐されたイスラエル人などの詳細が記録されている。
日本人は、ガザ地区に近いイスラエル側の砂漠で開かれていた音楽フェスティバル「スーパーノヴァ」に対するテロ攻撃ぐらいしかハマスの攻撃に関しては知らない人が多いと思われるが、この地図を見るとハマスの攻撃がいかに大規模に行われたかがわかる。