2024年5月20日(月)

ジェンダー平等と多様性で男性優位の社会を変えよう

2024年2月26日

日本に「男性は外で働き、女性は家を守る」の固定観念は強いのか

編集部 そこは、性別に関係なく、正当に評価してほしいものですね。日常生活の中ではいかがでしょうか。

30代女性 私の名前でマンションの内見の申し込みをしたのですが、夫婦で行くと、担当者が夫だけに名刺を渡して、私には渡してくれなかったことが何回もあり、複雑な気持ちになりました。

20代女性 私は、母親から「女性はいざ偏差値が足りなくても、女子大に行けば就職率も高くて良い」と言われました。

編集部 日本人には、「男性は外で働き、女性は家を守る」という固定観念が強いのでしょうか。

30代女性 子どもの頃、海外出身の母親が「『男性は仕事、女性は家事』という考えを当たり前だと思わないでほしい」という理由から、3世代が食卓を囲む昭和の伝統的家族像を想起させる国民的漫画やテレビアニメを見ることができませんでした。

50代女性 かつては寿退社して専業主婦になるのが一般的でした。今も専業主婦ですが、最近では共働き夫婦も増え、夫や子どもから「なぜ働かないのか」と聞かれて困ったことがあります。家事も仕事なのですが、「自立してお金を稼がなければいけない」ということなのでしょうか。

   
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Wedge 2024年3月号より
ジェンダー平等と多様性で男性優位の社会を変えよう
ジェンダー平等と多様性で男性優位の社会を変えよう

「育児休暇や時短勤務を活用して子育てをするのは『女性』の役目」「残業も厭わず働き、成果を出す『女性』は立派だ」─。働く女性が珍しい存在ではなくなった昨今でも、こうした固定観念を持つ人は多いのではないか。 今や女性の就業者数は3000万人を上回り、男性の就業者数との差は縮小傾向にある。こうした中、経済界を中心に、多くの組織が「女性活躍」や「多様性」の重視を声高に訴え始めている。

内閣府の世論調査(2022年)では、約79%が「男性の方が優遇されている」と回答したほか、民間企業における管理職相当の女性の割合は、課長級で約14%、部長級では8%まで下がる。また、正社員の賃金はピーク時で月額約12万円の開きがある。政界でも、国会議員に占める女性の割合は衆参両院で16%(23年秋時点)と国際的に見ても極めて低い。

女性たちの声に耳を傾けると、その多くから「日常生活や職場でアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)を感じることがある」という声があがり、男性優位な社会での生きづらさを吐露した。 

3月8日は女性の生き方を考える「国際女性デー」を前に、歴史を踏まえた上での日本の現在地を見つめるとともに、多様性・多元性のある社会の実現には何が必要なのかを考えたい。 


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