喧嘩の作法

2013年11月19日

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久慈直登 (くじなおと)

日本知的財産協会専務理事

1952年岩手県久慈市生まれ。日本知的財産協会専務理事。本田技研工業株式会社知的財産部長を経て2012年より現職。主要論文としては国連世界知的所有権機構による世界への環境技術普及のための「WIPO Green」として採用された「プロバゲイティング グリーンテクノロジー」など。

 例えばホンダマークのついているミニカーを手土産に海外の税関のボスのところに挨拶にいって親しくなると、数多ある世界の企業のマークの中から優先的にホンダマークを見てくれることになる。税関に熱心に相談にゆくような企業のマークは見分け方を説明されてもいるし、コミュニケーションもいいので間違いが少なく、税関も成果をあげやすいのである。

 ブエノスアイレスで南米の税関関係者の会議があるという情報を得た。ブエノスアイレスは港町である。夏でも涼しいが、それもそのはず海の向こうはすぐ南極である。会議への参加は南米各国に知財対応を説明し協力をお願いする絶好の機会である。関係者が一堂に会する。さらになんとアルゼンチン大統領も参加するような正式な会議であるという。そこに参加してスピーチをすれば強いインパクトがあるであろう。

 その会議において、世界の模倣品の状況、企業の対策状況、税関への期待、難しい判断のときの対応方法などの話をし、最後に日本企業は皆さんに大いに期待していると結んだ。その結果はすぐに表れた。南米各国の税関でホンダや日本企業の模倣品が次々にストップすることになったのである。

 ブエノスアイレスへはニューヨークまで12時間、そこから南に12時間のフライトでたどりつく。慣れてしまえばたった24時間のフライトである。日本にいてあれこれ考えているより、現場にいって現地の人たちと直接仕事をするのはやはり効果絶大である。仕事の達成度を考えると24時間フライトなど何ほどのものではない。

◆WEDGE2013年11月号より










 

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