ふかちゃんと息子は小学校のミニバスケットボールクラブ時代からの親友です。
私は2人を見ました。
すると、ふかちゃんの唇から血が出ています。
「どうしたんだ?」と私。
「センコーがさあ、『みんながだらだらしてんのはキャプテンが悪い!』と怒鳴りだしてさあ、ふかちゃんを殴り倒して足で蹴ったんだ、何度もだよ!」と息子。
ふかちゃんは、小さくうなずきました。
そんな2人の様子に「体罰は間違いないな」と確信しつつ私は訊ねました。
1歳の長男をおんぶして長女と近所にお散歩中の若い頃の筆者。1981年9月
「お前たちに先生は謝ったのか?」
「してない、『帰れ!』て怒鳴った」と息子。
「先生は前からお前たちを小突いてたんだよな」と、私は以前から聞いていたことの確認をしました。そして、無性にむかっ腹が立ってきました。
「今どこにいるんだ?」
「どこどこ中学の体育館でうちのチームと練習試合中」と息子。
「よし、父さん、行くから!」
で、私はまたまた自転車でどこどこ中学に向かいました。
どこどこ中学は、息子たちが通う中学と離れていますが自転車で20分ほど。
体罰はあっさり認めたが…
体育館を覗くと、巨漢(多分100キロ以上はある)の「あいつ」は腕組みして椅子に座りながら試合を追っています。
顔が合った息子の男バス仲間を呼びとめ、あいつに「岸の父親が用事があり来ていること」を伝えてもらうように頼みました。
あいつに近寄り耳打ちしてくれましたが、あいつはチラっとこちらを見ただけで動きません。
練習試合の終了後、あいつはのしのしとカラダを揺さぶりながら私の元にやってきました。