ドイツ政府は17日、ウクライナへの軍事支援を来年度、ほぼ半減させる予算案を承認した。現在の約80億ユーロ(約1兆3700億円)から約40億ユーロに減らす。
クリスティアン・リントナー財務相は、凍結したロシア資産の利子から500億ドルをウクライナが受け取ることで主要7カ国(G7)が合意していることから、ウクライナの資金繰りは「当面は安泰だ」と述べた。
ドイツはウクライナに対し、アメリカに次いで2番目に大きな軍事支援をしている。今年度の支援額は予算ベースで約75億ユーロ。
ウクライナへの支援をめぐっては、11月の米大統領選挙でドナルド・トランプ前大統領が勝利すれば、アメリカからの資金が削減または停止されるかもしれないとの懸念が欧州で出ている。
ドイツの2025年度の防衛予算は、ウクライナへの軍事支援は削減するものの、総額では前年比13億ユーロ増の532億5000万ユーロとなる見通し。
国内総生産(GDP)の2%を防衛費に充てるという、北大西洋条約機構(NATO)が求める目標を達成する予定となっている。
この予算案は、議会で承認される必要がある。
ウクライナをめぐってはこのほか、以下の動きがあった。
・ロシアとウクライナは17日、捕虜を交換した。双方が軍人95人ずつ受け取った。アラブ首長国連邦が仲介した。
・ウクライナ軍の関係者は、南部ヘルソン州のドニプロ川東岸にある、ロシア占領地域の重要地点のクリンキー村から、ウクライナ軍が撤退したとBBCに認めた。ただし、この地域での同軍の作戦は継続していると付け加えた。
・イギリスのキア・スターマー首相は18日、欧州指導者45人近くを迎えて「欧州政治共同体(EPC)」の会合を開く。イギリスと欧州大陸の関係をリセットするきっかけにしたい考え。会合ではウクライナ支援の再確認も予定されている。