2024年7月18日(木)

BBC News

2024年7月18日

米ニューヨーク州の大陪審は17日、韓国政府のスパイとして活動し、対価に高級な品物やバッグ、会食を受け取っていたとして、米中央情報局(CIA)の元アナリストを起訴した。

スー・ミ・テリー被告(54)はかつて、米国家安全保障会議(NSC)の上級職員として働いていた。今回、外国の代理人登録を怠った罪と、外国代理人登録法違反に共謀した罪の計2件で起訴された。

ニューヨーク州南部地区の連邦地方裁判所が16日に公開した資料によると、アメリカで北朝鮮専門家としても知られるテリー被告は、10年間にわたり韓国政府のエージェントとして活動していたが、アメリカ政府当局に外国代理人の登録をしなかった。

テリー被告が上級研究員として所属するシンクタンクの外交問題評議会は、同被告に無給休暇を課したと述べた。同シンクタンクはまた、テリー被告のプロフィールをウェブサイトから削除している。

テリー被告は罪状を否認している。弁護士のリー・ウォロスキー氏はBBCに、同被告に対する訴えには「根拠がない」と語った。

ウォロスキー弁護士は、今回の起訴は「その独立性と長年にわたるアメリカへの貢献で知られたテリー被告の、学者やニュースアナリストとしての仕事を歪曲するものだ」と述べた。

「実際、起訴状で韓国政府のために活動していたとされる期間、彼女は韓国政府を厳しく批判していた」

CIAやNSCでさまざまな職に

2015年まで勤めていたコロンビア大学によると、テリー被告は韓国で生まれ、12歳でアメリカに渡った。

2001年にタフツ大学フレッチャー法科・外交大学院で博士号を取得。英語と韓国語での講義で知られていた。

テリー被告はその後、2001~2008年にCIAの上級アナリストとして働いた後、連邦政府でさまざまな職務に就いた。ジョージ・W・ブッシュ政権とバラク・オバマ政権では、NSCで朝鮮・日本・太平洋問題担当主任を務めた。

検察は、テリー被告の韓国政府のエージェントとしての仕事は、同被告がCIAとNSCの仕事をやめてから約5年後の、2013年に始まったみている。

31ページにわたる起訴状によると、テリー被告は2023年に任意の事情聴取で、韓国の国家情報院の「情報源」だったことを米連邦捜査局(FBI)の捜査官に認めたという。

起訴状によると、韓国政府はテリー被告に2845ドル(約45万円)のドルチェ・アンド・ガッバーナのコートや、3450ドルのルイ・ヴィトンのハンドバッグ、高級レストランでの食事を贈ったとされている。

関係者によると、韓国政府はこのほか同被告に3万7000ドルを渡し、資金の出所を隠す計画を立て、最終的には同被告が働いていたシンクタンクのギフト・ファンドに振り込んだという。

(英語記事 Ex-CIA analyst charged with spying for South Korea

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c1rw990x18xo


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