2024年12月12日(木)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2024年8月22日

 2024年8月10日に漁が解禁されて、今年もサンマの季節が来ました。毎年のように大不漁が伝えられているサンマ漁。しかしながら、昨年のスタートに比べて、根室の花咲港では水揚げ量が469キロから67トンと140倍、価格はキロ当たり14万400円から626円と200分の1以下などと報道されています。

サンマ新物は1尾約300円(筆者提供)

 その後も、厚岸でも初水揚げは昨年の約60倍で、価格は70分の1といった初水揚げでした。水揚げ量の増加で、札幌では1尾18円で販売した店があったという報道もあります。

 一方で、豊洲市場の初競りでは、大きめの1尾140グラムのサイズに昨年のキロ20万円を2.5倍超えるキロ50万円の過去最高値が付いたということです。1尾換算では1尾7万円の計算になります。

 水揚げ量が増えて1尾18円の店もあれば、1尾7万円で落札する卸しもある。これはどういうことなのでしょうか?

 今年は異常に安いのでしょうか? 高いのでしょうか?また今年のサンマの供給や価格はどうなるのか? 報道を見てわけがわからない方は少なくないと思います。

クロマグロの初競り価格でわかるご祝儀相場

 異常に高い価格も安い価格も、単に宣伝価格と考えればわかりやすいはずです。こういった異常な価格の魚は、全体の供給量からすれば無いと同様です。また採算が合わない価格のように見えても、数量が極端に少ないことや、広告費と考えれば非常に安いコストとなります。

 ところがそれをよく解説せずに、物珍しい内容をそのまま伝えると、消費者に大きな誤解を生んでしまうのではないでしょうか。宣伝価格をもとに、その年の価格イメージができてしまうことは感心しません。


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