・19年、シリア国内で「イスラム共和国」過激勢力との戦いを続けてきたクルド族への軍事支援を打ち切ったため、周辺地域で政情不安につながった。
・大統領在任中、海外で任務中に命を落とした米兵たちについて“suckers and losers”(間抜けで敗者)とたびたびけなしたり、閲兵式などで傷痍兵と同じ列に並ぶことを「見栄えが悪くなる」との理由で計画を変更させたりしたことが、ケリー首席補佐官ののちの証言で明らかにされた。
こうしたトランプ氏にとって耳障りなエピソードは、今では、軍関係者の間では広く知れ渡っている。
憂慮する選対
他方で、「退役軍人省」(Department of Veterans Affairs)が公表している24年最新データによると、国内外に居住する米国の退役軍人総数は1860万人にも達している。しかも退役軍人を「支持政党」別に色分けした場合、伝統的に軍事力増強、国防予算増額を重視してきた共和党支持者が大半を占め、大統領選でも影響力を行使してきたことが知られている。
しかし、最近、世論調査結果が示す通り、「共和党候補」とは名ばかりのトランプ氏に対する退役軍人、軍家族の支持率は明らかに低下傾向にあるだけに、トランプ選対本部としても憂慮すべき材料の一つになってきている。