ロシア西部の国境から中国がフィリピンの主権を侵害している海域まで、 今日の戦争と戦争寸前の舞台は、地球上の24のタイムゾーンのうち6つのゾーンにまたがっている。米国大統領選挙では、まったく関心を持たれておらず、両候補とも、拡大する世界的な大混乱を真剣に考えず、認識している形跡もない。
この世界の混乱がバイデン=ハリス政権の評価を決定付けることになろう。そして今年、親プーチンのハンガリー首相は、2度もトランプを訪問した。
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「第三次世界大戦」の定義
ロシアのウクライナ侵攻に関係して、第三次世界大戦は既に開始されているとする驚く警告であるが、同様の指摘は、エマニュエル・トッドが既に22年5月に主張している。この論説は、後から振り返れば14年のロシアによるクリミア併合が始まりであったということになるかもしれないと論じている。
この問題については、まず「第三次世界大戦」の定義を明確にしておくべきであろう。常識的には、米国及びNATOとロシア、中国等が連合して複数の地域で「直接」武力衝突を行うことと定義付けられるのではないかと思う。現段階では、様々な事実がこのような状況に至る可能性を示しているが、断定はできない。
最近の西側プレスには、ロシア、イラン、北朝鮮および中国の4人組が結託して米国に挑戦しているとの論調が見られる。イランや北朝鮮はロシアにミサイル、ドローン、砲弾等を供与し、中国も軍事的利用可能な技術や資材を供与している。しかし、この4カ国の状況は異なり、米国に対する反感を共有して助け合ってはいるが、第三次世界大戦を引き起こしてでも米国に挑むまでは一致していない。
特に、中国は、国際経済の点で他の3カ国と異なり、国内の安定のために経済の活性化が重要で、依然として西側諸国との経済関係を重視する。