2024年7月15日(月)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2014年2月10日

 戦後70年がたとうとするいま、私たちに求められているのは、歴史の事実に誠実に向き合う姿勢である。日本政府が、急カーブを切るようにこれまでの歴史認識を変えることはむずかしいが、国民レベルにおいて、「実際に何があったのか」を知る姿勢をもつことはひじょうに重要である。その動きに対し、あらぬところから、「(歴史)修正主義者(revisionist)」なるレッテルを貼られることがあったとしても、私たちには事実を知る権利が厳然とある。こう考える日本国民は近年増えてきている。

 一昨年2月の「南京発言」後、大バッシングに晒されたとはいえ、河村たかし名古屋市長が政治生命を失うこともなく、その後、再選まで果たしたこともその変化の表れだろう。1994年、ときの法務大臣、故・永野茂門氏が、「南京大虐殺はでっち上げだと思う」と発言した際に、マスメディアから人格攻撃まで含む総攻撃を受け、就任からわずか11日で辞任したときのことを思えば、まさに隔世の感がある。

 これは、河村氏がメディアと周囲からの「発言撤回圧力」に屈しなかった結果ではあるが、18年前と比べ、メディアの責め口調がトーンダウンしていたのもまた明らかだった。理由は、この18年で日本国民の心理が大きく変化したためであろう。河村氏の「南京発言」後、名古屋市役所には市民からの電話、FAX等が多く寄せられたが、その約9割は「河村がんばれ」であった。こうした日本国民の心理的変化を生んだおもな要因は、近年、中国、韓国が執拗かつ露骨に行なう、史実や現状を無視した「日本叩き」、そして領土の侵犯にある。

 長きにわたって日本の世論に対し効果絶大だった中国の「反日カード」は、いまやその効力を失いつつある。それでも中国は韓国と連携し、戦勝国が主導する国際世論に訴える攻勢を強めており、それは従来、自国民の不満をそらす手段ともなってきたが、果たしてその効力もいつまで続くのか。依然、敗戦国という厳しい立場に置かれている日本ではあるが、世界のパワーバランスも変わりつつあるなかで、今後、「事実」に基づく適切な反論をしていくために、国内の体制をまず整えることが求められている。

[特集]靖国参拝をどう考えるか?

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