関東大震災の死者の3分の1を出した「陸軍被服廠(ひふくしょう)跡地」は、避難してきた人のうち3万8000人が亡くなった。「火災旋風(せんぷう)」が発生したのである。旋風は、避難者を空高く巻き上げたばかりではなく、火の粉が避難者の持ち込んだ荷物に火をつけたのである。新たな映像と当時の研究資料によって、これまで旋風の発生のメカニズムもわかってきた。
被服廠の火事は、北、西、南の三方向に火事が迫ってきた。東側は隅田川である。その時風速は10メートル(m)。被服廠の火事は、そこまでに達するのに建物を焼きながら進んできたので、隅田川沿いからの風よりも弱かった。相対的に強い隅田川からの風が、流れ込んで旋風を発生させたのである。
震災報道こそ、繰り返し見るべき番組
2011年3月11日に発生した、東日本大震災は巨大地震と津波、そして東京電力福島第1原子力発電所のメルトダウンという未曽有の事故に遭遇した。その記憶は13年目の東日本大震災忌を前にしても記憶に新しい。
NHKをはじめ、放送局には過去の番組であっても、震災関連のものは繰り返し放送してもらいたい。2024年5月の放送法の改正によって、NHKがインターネットを通じて情報を提供することが、「必須業務」となった。地上波で放送しなくても、NHK+などのホームページで大規模な地震の記念日などを前にして、観られるようにしておいてはどうだろうか。
