マスクおよびトランプ支持者がX上の発言を支配し、異なった見解を有す人々への攻撃を激化させるようになったため、民主党支持者やこうしたXの風潮に抗議する人々がBluesky という新SNSへ移行している。
Xが中央集権型SNSで情報を一括管理するのに対しBlueskyは分散型で複数のサーバーがネットワークを構築することでデータが分散され、データを利用者が管理できる仕組みである。
防衛産業にも食い込む
Blueskyに移行した人々ははるかに穏やかでオープンな環境と喜んでいるが、XとBlueskyで一つの事実に関して全く違った「事実」やコメントが流れるのは免れない。自分の聞きたい情報やコメントにしか耳を傾けないエコーチェンバー現象やそれによる分断がさらに悪化するのは間違いない。
巨大テクノロジー企業は軍事産業への影響も深めようとしている。防衛技術企業として1位と2位を占めるパランティアとアンドゥリル社がスペースXやオープンAI、マイクロソフトなどと提携し、防衛産業最大手のロッキード・マーティン、レイソン、ボーイングからより多くの政府の防衛予算を奪おうとしている。
パランティアの上級顧問が経済発展、エネルギー、環境担当の国務次官に指名され、同じくパランティアの技術責任者やアンドゥリルの共同創始者が国防総省でポストを得るとされている。
ベンチャー・キャピタリストのデービッド・サックスがAI・暗号資産責任者に指名されたが、同氏はマスクやYouTube創設者のハーリーなどとともにPayPal・マフィア7の一員である。先端技術開発、それを駆使するデジタルプラットフォームとメディア、そして膨大な資産とその投資に長けた人々が大きな影響力を持つのがトランプ2.0となる。
トランプ政権と上手く付き合い、無用な政治的・経済的攻撃対象となるのを防ぐには、この新たな技術環境を理解し、人的ネットワークを作る必要があるが、容易なことではない。