第2次世界大戦は、ロシアでは大祖国戦争と言うが、これはナチスドイツの侵略に対して祖国を守るための戦争であった。要するに、防衛戦争には強いが、遠征戦争ではそう強くない。今度のウクライナ戦争は、プーチンのウクライナは本当はロシアであるとの歴史解釈から始められた戦争であって、大祖国戦争のような防衛戦争とは全く違う。
ロシアは確実に痛んでいる
ロシアのウクライナ戦争を続ける能力については、プーチンが30万人の動員をかけたことで約100万人の若者が国外に脱出したことに鑑み、総動員をかけられないことを見ても、それほどあるとは思えない。北朝鮮からの兵士で兵員不足を補わなければならない状況にある。
そのうえ、ロシアは経済が痛んでいる。インフレを抑えるために、ロシア中銀は利子率を 21%にしているが、そういう高利子率でロシア企業は長い間経営を行いうるとは考え難い。ロシアは訪露する人に経済は問題なく回っていると示すことを試みており、そのプロパガンダに乗せられている人が日本にもいるが、実態を反映していない。
現在のウクライナ戦争を早期に終結させることは、強く望まれるところではあるが、再びこのような戦争が起きないようにウクライナの安全保障のための枠組みを作る必要があるだろう。

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