2025年4月17日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年2月20日

 カナダへの関税賦課については、1カ月執行が延期されたが、カナダから米国に流入するフェンタニルは全体の1%以下、米国に流入する不法移民も全体の1.5%に過ぎないのに、25%の関税を課すなど、止めようとしている事態とそのために取っている措置の間に均衡性が欠如している。

 それに移民にしろ輸入にしろ、米国が国境措置を強化すれば問題は防げるのであり、フェンタニルや移民の米国流入を防ぐ責任は米国にもある。カナダやメキシコに全ての責任を負わせ追及するのは間違っている。フェンタニルと不法移民については、米加、米墨で協力して取り組むのが最も有効であろう。

ワイマール共和国の歴史を振り返る時

 在米ベネズエラ人の本国への強制送還はルビオが以前言ったように「死刑宣告」に等しい。米国は不当な弾圧の犠牲者に安全な隠れ場所を提供する国であるべきである。国際社会には、難民条約と難民議定書があるが、米国がこれらの条約に反する行動をとることには強く反対すべきだろう。

 トランプ2期目の出だしは、予想したよりもずっと支離滅裂で世界情勢を益々悪くする方向にあると考えざるを得ない。民主主義がデマゴーグと馬鹿な選択をする国民で壊れた事例、例えばワイマール共和国の歴史を振り返ってみる必要がある。

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