2025年12月5日(金)

World Energy Watch

2025年3月5日

 UAEが太陽光発電所を増設している一方、太陽光発電は、日中のみの電力供給に限られ、発電量の調整が困難であるなどの課題を抱えている。このため、UAEは太陽光発電に、バッテリーエネルギー貯蔵システム (BESS)を組み合わせることで、夜間でも太陽光発電による電力供給を目指している。25年1月、太陽光エネルギーの24時間供給に向け、設備容量5.2GWの太陽光発電所と19ギガワット時(GWh)のBESSを建設する計画を発表した。

日本のAI政策にとっての視座

 フランスやUAEをはじめ、多くの国々がAI開発・導入に乗り出している中、日本においてもAIの活用や人材育成が強く求められるようになった。日本企業の最近の動向では、ソフトバンクがオープンAIや米ソフトウェア会社のオラクルと提携し、米国のAIデータセンター建設に投資する計画を発表した。

 AI分野で日米間の連携が目立つが、裏を返せば、日本の米国依存が強まる方向に向かっていると言える。デジタル面でも、米IT大手への情報サービス支払額が22年に1兆円超を上回り(出所:三菱総合研究所)、米国頼みが顕著となっている。AI分野でも米国と協力するとなれば、対米デジタル赤字はさらに拡大する恐れがある。

 この点を踏まえると、日本は米国以外の国ともAI協力を進めていき、パートナー国を多角化していくことが望ましい。中国との協力には情報管理上の懸念が大きいことが指摘されるため、本稿で紹介した、フランスもしくはUAEは有望な候補国となるだろう。

 フランスによる原発利用を通じた電力課題への対応や、UAEの国家主導でのAI産業発展や人材育成は、日本にとっても参考にすべき点であると考えられる。

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