
ロシアは3月31日、同国がウクライナとの停戦交渉をめぐり、今も「アメリカと協力している」と主張した。ドナルド・トランプ米大統領は前日にテレビ放送されたインタビューで、ウラジーミル・プーチン大統領に対して「とても腹を立てた」、「むかついた」と述べていた。
トランプ氏のプーチン氏に対する批判に、クレムリン(ロシア大統領府)は31日に初めて反応。両首脳の緊張関係を大ごとに見せないよう努めた。
クレムリンののドミトリー・ペスコフ報道官は、「我々はアメリカ側と、まず第一に、関係を構築するための協力を継続している」と述べた。
今週中にプーチン氏とトランプ氏が電話協議する予定はないが、「必要であれば」プーチン氏は電話協議に応じるつもりだと、ぺスコフ氏は述べた。
トランプ氏は30日に放送された米NBCニュースのインタビューで、プーチン氏がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の信頼性を攻撃したことに立腹していると発言。プーチン氏が停戦に合意しない場合、ロシア産石油を購入する国々に対して50%の関税を課すと脅した。
「もしロシアと私が、ウクライナでの流血を止めるための合意に至らず、それがロシアのせいだと思った場合(中略)私はロシア産のすべての石油に対して2次関税を課すつもりだ」と、トランプ氏は述べた。
この発言は、トランプ氏のプーチン氏およびロシアに対する態度の変化を示している。
そのため、ロシアは事を丸くおさめようと、協力の継続を主張した。
「ウクライナの暫定統治案」に怒り
アメリカとロシアの高官は、ウクライナでの戦争を終結させる協定を結ぼうと、数週間にわたり協議を続けてきた。この間、トランプ氏はしばしばゼレンスキー氏への批判を繰り返した。一方で、プーチン氏を批判することはなかった。
ところが、プーチン氏が3月28日に、ウクライナを一時的に国連の統治下に置き、より「有能な」政府を選挙で選ぶという、ウクライナの暫定統治案を示したことで、トランプ氏の怒りを買った。
トランプ氏は30日のNBCのインタビューで、「プーチンがゼレンスキーの信頼性に言及し始めたとき(中略)私はとても腹が立ったし、むかついたと言える。正しい方向に進んでいないので」と述べた。
「(ウクライナの)指導者が新しくなるなら、もうしばらくは合意が得られないことになる」ともトランプ氏は話した。
ロシア・メディアはめずらしくトランプ氏批判
クレムリンのぺスコフ報道官は、31日の記者との定例の電話会談で、NBCのインタビューで語られた内容の一部は「言い換えられたものだ」と主張した。
トランプ氏の発言は、一部のロシア・メディアでも報じられた。
クレムリン寄りのロシア紙「モスコフスキー・コムソモーレツ」は、ウクライナによるロシアのエネルギー・インフラへの攻撃を阻止する「義務」をトランプ氏が果たしていないと、トランプ氏をめずらしく批判した。
「トランプ大統領レベルでのあらゆる合意は、市場では数セントの価値しかない」と、同紙は断じた。一方で、「ロシア政府には米大統領と取引する用意がある」とした。
(英語記事 Russia still 'working with US' after Trump says he is 'angry' with Putin)