米国の同盟システムもまた、今後大きな圧力に晒されることになるだろう。その恩恵を受けるのは中国である。
トランプは、共和党と米国という国のイメージを根本から変えてしまった。彼はわずか数日で、何十年もかけて築かれた信頼ある国際関係を崩壊させてしまった。
信頼回復のための作業は、トランプが政権を去った後においても、極めて困難なものになるだろう。もしそれが可能だとしても。
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同盟国のヘッジング
確固たる世界観に基づく安心できる社説であり、その主張に賛同する。
トランプの言動は、益々無謀、教条的になっている。4月7日の石破・トランプ電話会談後にトランプはSNSに投稿、「日本の首相と話した。彼は交渉するためのトップチームを派遣してくる」、「彼らは貿易で米国をとてもひどく扱ってきた。彼らは米国の車を買わないのに、我々は数百万台の日本車を買わされている」と不満を述べた。愕然とさせられる。
トランプは歴史と事実に基づく理解を欠いているとしか言いようがない。貿易も二国間均衡主義ではダメだ。政策の転換が必要だ。
トランプには、世界観や価値観、理想はなく、あるのは取引でしかないようだ。人類を敵にしているようにさえ見える。
それでもトランプとは関与が必要であるし、そのためには一定の信頼が必要だ。多大の辛抱強さが必要なことを覚悟しておく他ない。
上記の社説は、同盟国は米国との関係で「長期的政策調整にも動き出すだろう」と言う。今までのように米国を信頼できないとなれば、同盟国はヘッジングを採らねばならない。
安全保障については、防衛産業協力を含め、日、欧、豪、カナダ、インド等との間で協力を強めるべきだろう。経済についてもこれらの国の間の関係を強めるべきだ。
