2025年12月5日(金)

大阪 自由都市を支える“民の力”

2025年5月6日

 「看板作りにも美術にも興味があったわけではない。でも、『やればできる』の精神で取り組み、今ではいろんな物が作れるようになりました。今後は受注生産だけでなく、自分たちのアイデアで作った物を人目に触れる場所に掲げ、認知を広げたいですね」と健一郎さんは意気込む。

モットーは
「月の半分働いて、半分遊ぶ」

 同社の正面入り口には、「工場見学いつでもOK」と目立つように掲げられている。興味があれば、誰にでも無料で技術を教える造形教室を長く続けていた。今でも要望があれば不定期で開催している。

 雅英さんのモットーは「『月の半分働いて、半分遊ぶ』こと」だという。昔は仕事後、家族を連れて月の半分、車で日本各地に出かけた。健一郎さんは「そのせいで、小学6年生の運動会を欠席した」と苦笑い。雅英さんは健一郎さんについて、「海外で遊び回るというのは、僕のDNAやね」と笑うが、取材中、何でも言い合える関係性が印象に残った。

 流れに身を任せながら仕事に取り組み、全力で余暇も楽しむ─。自由人であり、自然体であることが親子の最大の強みなのであろう。

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Wedge 2025年5月号より
やっぱ好きやねん! 大阪 自由都市を支える〝民の力〟
やっぱ好きやねん! 大阪 自由都市を支える〝民の力〟

いよいよ開幕する「大阪・関西万博2025」。大阪での万博の開催は、1970年以来、実に55年ぶりとなる。この間、東京一極集中が続き、日本の停滞とともに勢いが失われていった。そんな大阪を盛り上げようとする「熱気」や「動き」がいま、まちのあちこちで生まれている。支えているのは、大阪独自の〝民の力〟やそれらを受け入れる〝自由さ〟だ。大阪の隆盛に奮闘している人々の想いから、日本の第二都市であり、自由都市であるこれからの大阪のあり方を考えたい。


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