「看板作りにも美術にも興味があったわけではない。でも、『やればできる』の精神で取り組み、今ではいろんな物が作れるようになりました。今後は受注生産だけでなく、自分たちのアイデアで作った物を人目に触れる場所に掲げ、認知を広げたいですね」と健一郎さんは意気込む。
モットーは
「月の半分働いて、半分遊ぶ」
同社の正面入り口には、「工場見学いつでもOK」と目立つように掲げられている。興味があれば、誰にでも無料で技術を教える造形教室を長く続けていた。今でも要望があれば不定期で開催している。
雅英さんのモットーは「『月の半分働いて、半分遊ぶ』こと」だという。昔は仕事後、家族を連れて月の半分、車で日本各地に出かけた。健一郎さんは「そのせいで、小学6年生の運動会を欠席した」と苦笑い。雅英さんは健一郎さんについて、「海外で遊び回るというのは、僕のDNAやね」と笑うが、取材中、何でも言い合える関係性が印象に残った。
流れに身を任せながら仕事に取り組み、全力で余暇も楽しむ─。自由人であり、自然体であることが親子の最大の強みなのであろう。
