2025年5月20日付ワシントン・ポスト紙は、「中国は新たな供給網戦争を始めている」とのウィットマン米下院議員とハドソン研究所のシャドロウによる論説を掲げ、ネオジム磁石を中心としたレアアースにおける中国の独占状況への対応の必要性を指摘している。

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最近中国はレアアース磁石の輸出制限を決めた。レアアースは米国と同盟国の供給網で最も脆弱である。特に磁石が厳しく先進電子産業にとり深刻だ。
議会とトランプ大統領が共同行動すれば対応を強化できる。電池や半導体と共に磁石は日常生活と国家安全保障の重要な構成要素だ。
モーター、発電機、駆動装置の中枢にあり、携帯電話、ロボット、半導体、ドローンとほとんどの軍事的機器を含む先進電子装置の稼動を可能にする部品だ。レアアース磁石、特に軽量で高耐熱性のネオジム鉄ホウ素磁石抜きには、米国が頼るほとんどの技術は使えない。
中国は対米レアアース供給を握り、その輸出制限で米国のほとんどの防衛・商品生産を止められる。世界中のほとんどのレアアース磁石生産者は、素材か機材を中国に依存している。
米国海軍の艦隊や潜水艦、MRI、衛星は、中国が製造・採掘した磁石で動いている。米国はレアアース磁石供給網全体への対応を再検討する必要がある。
米軍は磁石で供給網危機に直面する可能性があるが、これは生存に係る。米国は、中国の許可を得ずに最重要の防衛能力を製造しうるべきだ。
中国が磁石に追跡装置を潜ませ対米戦争で起動させる可能性もある。数年前国防省は、F35の磁石に中国製合金が混ざっていることを発見し計画を停止した。現状を変えなければ米国の対中依存は高まる。