2025年12月5日(金)

Wedge REPORT

2025年6月17日

 さらに不可解なのは、他候補への対応との落差だ。前述のように、むしろ国民民主党支持者らからは須藤元気氏の擁立の方にこそ強い批判と失望の声が連日向けられている。なぜ山尾氏だけが下ろされ、須藤氏は下ろされないのか。「SNS、全部見ている」と語る玉木氏は、これまで党を最も支持してきた層からの批判に向き合わず、沈黙を続けている(朝日新聞「国民民主・玉木氏『SNS、全部見ている』支持率ブレーキに危機感」)。

政治家は不人気な決断も背負う信念が必要

 現在の国民民主党は、まさに「迷走」の二文字がふさわしい。掲げたスローガン「対決より解決」は、政策本位の政治、建設的な議論、そして現実的な解決力を期待されていたはずだ。しかし今、そこにあるのは、風見鶏のように空気に振り回され、責任を放棄し、候補者も従来の支持者も切り捨てるという、極めて杜撰な組織運営である。

 政治とは単なる人気投票ではない。玉木代表に求められるのは、ポピュリズムや他責に逃げず、自ら矢面に立つ覚悟だ。

 正論と大局観をもって、時に不人気な決断も背負う強い信念がなければ、「解決」など到底できるはずがない。党としても「誰のための政治なのか」という原点に立ち返らなければ、有権者の信頼は今後も遠ざかるばかりであろう。

 他責に逃げ、矢面に立とうとしない政党に「解決」は無く、未来もない。国民民主党には猛省と説明、変革を強く求めたい。

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