たとえば、難病に効く薬の開発に関する情報、みんなの心が癒される歌詞とメロディーを持つ曲に関する情報など。私たちの社会は、先人たちの数々の発見などに支えられて発展を遂げてきました。情報を共有することで、社会が日々進歩していくのです。
他方、その価値ある情報に誰でもただ乗りすることができる(=ただでマネされてしまう)のであれば、発見・創造する人のやる気が削がれてしまうことになります。
誰もが手に入れたくなる情報の持ち主は?
そこで、知的財産権(または、知的所有権)として法的に保護されています。知的財産権には、芸術的・学術的表現を保護する「著作権」、技術的な発明を保護する「特許権」、商品やサービスマークを保護する「商標権」などがあります(下の図参照)。
例を挙げると、2001年から20年間、ロッテの「雪見だいふく」には特許権が存在しました。また、シヤチハタ社の「Xスタンパー」というハンコ(通称「シャチハタ」)は実用新案権を取得した例です(1984年に消滅)。
さらに、ホンダのスーパーカブや、不二家のペコちゃんには、商標権があります。このように知的財産が守られることによって、創作者は安心して創作に取り組むことができ、ヒット商品が生まれるのです。
他人の知的財産権を勝手に使用してはならず、もし利用した場合には法的なペナルティ(差止請求、損害賠償、刑事罰など)があります。
近年では、知的財産権をめぐる争いも増えていて、場合によっては、国境を跨いだ紛争となる場合もあります。日本にも、知的財産権を専門的に扱う特別の裁判所(知的財産高等裁判所)があります。


