2025年12月6日(土)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2025年7月24日

歴史の忘却と未来への提言

 日中の技術協力の歴史は徐々に忘れ去られ、中国はあたかも独自の力で技術を発展させたと誤解されている。

 例えば、新日鉄による戦後の宝山製鉄所への技術提供も、今では中国の鉄鋼業界で理解されていない。同様に、レアメタルの技術もすべて中国独自の成果であるかのように認識されている。

 だが、これまで縷々述べてきたように、決してそうであるとはいえない。だからこそ、私はこれまでのことをこうして開陳し、記録として残すとともに、声を大して伝えたいのだえる。中国が「独自の技術」と言うのであれば、日本からも私が書いたような「反論」が必要であろう。

 今後は、過去の恩義を忘れず、日中が共に協力して世界の技術発展に寄与するべきである。日本の技術者たちは、自国の技術力が世界に貢献したことへのプライドを忘れず、中国の技術者たちはその歴史を胸に刻み、感謝の気持ちを表明することが求められる。そんな当たり前の話を今になってコラムに遠慮がちに発表している自分がここに居る。序章に「技術立国日本の誇りと懺悔」と書いた真意は筆者のメンタリティである。

技術で紡ぐ未来の絆

 技術交流を通じて、日中は共に世界のハイテク産業に貢献してきた。今こそ、人類の発展に役立つ技術の価値を共有し、未来を見据えた協力関係を築く時代である。謙虚な気持ちを忘れずに、日中関係をより良いものにしていくための基盤を築くことが、私たちの使命であり、未来への道標であると信じている。このエッセイを通じて、過去を振り返り、未来を見据える機会としたい。

智探庵代表

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