歴史的に見て北海道は沖縄と並んで開発支援の対象とされてきた地域である。この政策的目的を推進するため、かつては総理府(現在でいう内閣府)の下に北海道開発庁(1950年~)および沖縄開発庁(1972年~)という専門の組織も設置され、長官は国務大臣が当てられていた。
2001年の中央省庁再編に伴い、北海道開発庁は国土交通省に、沖縄開発庁は内閣府に統合された。なお、北海道には明治政府によって開拓使(1869年~)も設置されていたくらい歴史の長い地域である。
現在の北海道の直面する社会経済的問題としては以下の2つがあげられる。第1は、人口問題における「少子化」である。北海道の人口はおよそ500万人であるが、27年間連続で減少している。このうち北海道の合計特殊出生率をみると、ここ数年は最も低い東京を別格として、道府県間では宮城県と北海道で第45位,46位を交互に巡っている状況である。
合計特殊出生率は女性1人が一生にもうける子どもの数の代理変数といわれる。父親と母親2人の世代から2人の子どもが生まれて人口数は維持できるため、1.00の水準であれば、北海道の1つの家系では1世代めぐるごとに人数が2分の1ずつに減っていくことになる。
北海道の出生率が低い要因
表1のうち、宮城県は最近になって出生率ランキングが急激に降下した県であるが、北海道はかなり昔から出生率が低い。


