「グレーゾーン」の位置づけ
最後に言えば政策だ。「再保証と抑止」は確かにバランスの取れた政策だ。ただいつも気になるのは「グレーゾーン」の位置づけだ。
「グレーゾーン」は、国連憲章が禁止する武力行使(国家〈軍〉による組織的計画的実力の行使)に至らない行動を指す言葉で、自衛権の行使として武力を持って対抗することが出来ない点で対応が難しいのだが、仮に、中国が(軍でない)海警や海上民兵で台湾の必須物資の輸出入を阻止すれば、それは、武力の行使ではないが、台湾の生存を妨害する不法行為だ。
要は、グレーゾーン行為であっても不法な行為として、これに対応することは可能なはずだ。実はこの分かれ目は、台湾は中国の一部かどうかである。
中国の一部であれば、既述の防疫措置は合法的政府権限行使だが、そうでなければ、やはり不法行為だ。突き詰めれば、台湾の存在をどう位置付けるかだ。
これは台湾有事が発生した場合に、内政問題と位置づけ、各国の「内政干渉」を非難する中国に対抗して、我々がどの様な言葉を用いるかにも係る。「(日本は台湾が中国の一部だと認めてはいないので)中国が台湾でやっていることはロシアのウクライナ侵攻と同じだ」とはっきり言い切り、その方向に国際世論を引っ張っていけるかどうかが各国の支援を糾合できるかどうかを決める。この点の認識を ASG にも明確に持ってもらいたい。

