広島県は、県立広島病院、県立二葉の里病院(旧・JR広島病院)、中電病院、広島がん高精度放射線治療センターの4医療機関を統合し、JR広島駅前に1000床規模の新病院の設立を計画している。高度医療提供体制を整備し、2030年度中の開院を目指す。医療機関の統廃合が進む中、これほど大規模な統合再編計画は全国初だ。湯﨑英彦・広島県知事は言う。
「県内では医療資源の分散が生じており、各医療現場のスタッフが疲弊している。例えば、広島都市圏は周産期医療が比較的充実している一方、高度な小児医療は整備が十分とまではいえず、医療資源を集約することで互いに補い合い、役割分担する体制づくりが必要だった」
湯﨑英彦(Hidehiko Yuzaki)
広島県知事1965年、広島県生まれ。
東京大学法学部卒業、スタンフォード大学経営学修士課程修了。1990年、通商産業省(現・経済産業省)に入省し、2000年3月退官。その後、株式会社アッカ・ネットワークスを設立し代表取締役就任。代表取締役副社長を経て、2008年に同社退任。2009年、広島県知事に初当選し、現在4期目。
広島県知事1965年、広島県生まれ。
東京大学法学部卒業、スタンフォード大学経営学修士課程修了。1990年、通商産業省(現・経済産業省)に入省し、2000年3月退官。その後、株式会社アッカ・ネットワークスを設立し代表取締役就任。代表取締役副社長を経て、2008年に同社退任。2009年、広島県知事に初当選し、現在4期目。
本プロジェクトには大きく二つの目的がある。一つは、医療資源の集約化により、医療スタッフの負担軽減につなげること。もう一つは、魅力のある高度医療提供体制を構築することで、県民の高度医療へのアクセス向上だけでなく、症例集積によって医療の質を向上させ、若手医師が県内でもやりがいを持って働ける場を創出することだ。
「県民の中には、より高度な治療が必要な場合、首都圏など県外へ行かれる方も少なくない。また、医師数自体は増えているものの、若手医師の近畿圏を含めた大都市圏への県外流出もみられる。広島は過疎や中山間地域が多く、医師数が少ない〝無医地区〟が北海道に次いで全国で2番目に多い。若手医師確保により地域医療の持続性を高める必要がある」
