世界にどのような発信をするか
もうひとつは、国外、つまり世界に対しての国家としてのアピール、宣伝を行うことだ。中国は関税問題などで米国に対抗姿勢を示しているが、軍事パレードを行うことによって「強い中国」を演出するということだ。そのため、ロシアのプーチン大統領が参加することは大きな後押しになっている。
記念行事の際、プーチン氏は習氏の隣席に座るとみられ、各国首脳の席次も映像を通して世界に発信されるだろう。日本からは鳩山由紀夫元首相が出席するとも報道されている。そこで習氏がどのような発言をするかが注目される。
今から約4年前の2021年7月1日、同じ天安門広場の前で、中国共産党は創立100周年を記念する盛大な祝賀行事を行ったが、その際の演説で習氏は、アメリカなどを念頭に「教師面(ずら)をした(西側の)説教は絶対に受け入れない」と強い口調で牽制し、「いかなる外部勢力の圧迫も断じて許さない」と発言した。演説の途中で群衆から大きな歓声や拍手が沸き起こったが、今回はどのような発言をするのだろうか。
9月3日の夜に行われる晩餐会には、中国の90后(ジウリンホー=90年代生まれ)の起業家や俳優など、若者の代表も招待されるという。政府への求心力を高め、国民の不満を解消することは、果たして成功するのだろうか。
