さらに、イスラエルは、極右のスモトリッチ大臣主導のもと、ヨルダン川西岸へ大規模入植地の建設を発表した。イスラエルの最近の行動は、パレスチナ問題の二国家共存解決をダメにするために行われていると言えそうである。
この論説の筆者、ニューヨーク・タイムズ紙のフリードマンはユダヤ人であり、当然イスラエルを支持してきた人である。そのフリードマンが、このような論説を書いたことは注目すべきである。イスラエル人はフリードマンがここで論じている諸点を深く考え、反省すべき点は反省すべきであろう。
ホロコーストを含めユダヤ人がその歴史において経験したことに深く同情するが、同時にユダヤ人がパレスチナ人を同じ人間として扱うことを強く望む。
道徳的な立場から批判を
日本は、今のイスラエルの行動に対しては、道徳を重視する立場から厳しく批判的な姿勢を示していくべきであろう。国際的出来事に対して、道徳的見地からの日本の考えを示しておくことは、ナチス・ドイツがホロコーストを行う中、ユダヤ人を救うためにビザを発給した杉原千畝氏の行為のように、人々の記憶に残るだろう。
フランスのマクロン大統領のパレスチナの国家承認案に英国、カナダ、豪州等が同調する姿勢を示している。これに同調するのも一案であるかもしれないが、これはパレスチナ国家の樹立を遅らせる効果しかないとの見方もあるので、その是非はよく考える必要があろう。しかし、今のネタニヤフのガザ政策、西岸政策には賛成できないという非難声明を出すことは検討してもよいのではないか。何もしないのはよくない。
