2025年12月6日(土)

Wedge REPORT

2025年9月19日

 特に20~30代の来場意向が高く、SNS世代に万博が響いている、といえそうだ。来場者のうち「満足」としたのは全体で73.0%に上った。三菱総研は「開幕後に全国の来場意向が上昇しており、京阪神圏や若年層を中心に盛り上がりをみせている」と分析した。

 来場者数は5~6月にかけて着実に増加。6月28日には著名な「大曲の花火」(秋田県)の打ち上げもあり、会期前半で最多の18万4990人を記録した。近畿地方が早々に梅雨明けしたことで、来場者数のさらなる増加に期待が高まった。

猛暑が水を差す

 「会期後半は夏休みシーズンが勝負。(2005年の)愛・地球博では夏季に来場者が減少する傾向もみられた」。協会の石毛博行事務総長はこう述べていたが、今回も似た過程をたどった。

 月別で1日の平均来場者は6月の約12.7万人に対し、7月は11.5万人とまさかの減少に転じたのだ。その理由について、協会は異常な猛暑があったとみている。

猛暑に見舞われ、日傘で暑さをしのぐ来場者ら

 万博会場は甲子園球場約40個分の広さがあり、来場者は徒歩で移動する必要がある。直射日光をしのげる場所は少なく、貴重な日陰を作り出す大屋根リングの下では、数に限りがあるベンチからあぶれた人たちが、柱に背中をつけてぐったりと座り込む様子がみられた。会場には連日、救急車のサイレンが響いた。

夏場の大屋根リング下のベンチは休憩する人たちで埋め尽くされていた

 協会は、パラソルや給水スポットの増設、ミストファンのフル稼働などの暑熱対策を取るとともに、夏休み期間中の連日のミニ花火大会など来場者を増やす施策を次々と打った。これらが実ったのか、盆休みが始まった8月9日に来場者数が約1カ月ぶりに14万人台を記録。現在に至るまで、入場予約が困難になる盛況ぶりとなっている。

 一方、協会が収支に直結する入場券販売枚数とともに掲げてきた数字として、「期間中の一般来場者2820万人」がある。協会は開幕前からさまざまな場面でこの数字をアピールしてきたが、最近は特に、「目標ではなく、あくまでも想定」と主張している。


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