2025年12月5日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年10月3日

 米国はガザ紛争の終結についてハマスによる人質の解放、ガザからのイスラエルの撤退、イスラエルに拘禁されているパレスチナ人の釈放などの諸要素からなる提案をし、ハマス幹部がそれを討議するためにカタールのドーハに集まったのを狙って、イスラエルが攻撃したとして、イスラエルの行動に強い不満を表明している。米国は、このイスラエルの行動に対し強い抗議の意を示すべきであろう。

ハマス、カタール、イスラエルの歴史的な関係

 ネタニヤフを強くけん制していくべきであると考えられる。そうでないと、ネタニヤフにやりたい放題をさせる事になるが、それはイスラエルに対する各方面での憎悪感情をもたらす結果になるだろう。トム・フリードマンが言うように、イスラエルはパーリア国家になってしまう恐れが強くなるだろう。

 パレスチナでハマスの勢力が強くなったのは、民族主義者であったアラファトの パレスチナ解放機構(PLO)を弱めたいために、イスラエルがイスラム主義者のヤシンが指導者を務めるハマスを盛り立てて、いわゆるセパレーション(分離)政策を推進したからである。カタールがハマスにお金を提供するのもイスラエルは容認し、便宜を図っていた。

 ハマス、カタール、イスラエルの関係の歴史は複雑であるが、今回のイスラエルによるカタールへの攻撃は何を狙ったのか、理解に苦しむ。

エネルギー確保は総力戦amazon楽天ブックスhonto
Facebookでフォロー Xでフォロー メルマガに登録
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る