◆今日のお悩み
大成長を遂げた企業は、リスクを厭わずに挑戦した過去があるといいます。しかし、経営者として、自分の任期は安定飛行を続けたいのですが……。
大成長を遂げた企業は、リスクを厭わずに挑戦した過去があるといいます。しかし、経営者として、自分の任期は安定飛行を続けたいのですが……。
「自分の任期は安定飛行で終えたい」――。経営者であれば誰しも一度は抱く自然な感情だ。組織を乱さず、着実に利益を重ね、無難に任期を終える。それは責任ある判断ともいえる。
しかし、考えてほしい。もし安定に甘えた瞬間、未来の市場であなたの会社が取り残されるとしたら? 企業とは本質的に、変化する社会に応え続けることでしか生き残れない存在である。現状維持は、時として最も大きなリスクになるのだ。
その現実を誰よりも知っていたのが、ユニクロを世界企業へと押し上げたファーストリテイリング会長兼社長、柳井正である。2011年の元旦、柳井は全社員に向けて宣言した。「CHANGE OR DIE――変わるか、死ぬか」。この言葉は単なるスローガンではなく、企業が大きくなるほど潜む「大企業病」への鋭い警告だった。
現状に安住した瞬間、組織は衰退の道を歩む。だからこそ、自己否定と革新を絶えず繰り返さなければならない――。柳井は全社員にそう訴えた。
