トランプとルッテの会談は順調に進み、トランプは会談の中で、「我々は NATO の誇りあるメンバーだ」、「NATO 諸国とは非常に良い関係にある」と言った。こうした会談は常にうまくいくわけではない。
ルッテや欧州の首脳たちは激しく揺れるトランプとの関係に振り回されてきた。5日前、ウクライナのゼレンスキーはトランプをしっかり仲間に引き入れるべく、ホワイトハウスにやってきたが、この会談はあまり上手く行かなかった。トランプはプーチンの条件による停戦が実現するよう、ゼレンスキーに対しロシアに領土の一部を割譲するよう圧力をかけたのだ。
また、ウクライナへのトマホーク巡航ミサイルの供与についても、トランプは見送り姿勢を示した。これについてルッテは、「トマホークについてはコメントしないが、欧州はウクライナを全面的に支援しており、このことはトランプ大統領の心の近くにあることも知っている」と述べた。
もう一つ欧州を震え上がらせたのは、多くの証拠とは逆にロシアは戦場で優勢だとのプーチンの物語をトランプが受け入れ始めたらしいことで、最近の欧州はトランプを現実に目覚めさせることを目標の一つにしている。「平和を実現するにはロシアに痛みを感じさせねばならないことをトランプに再認識させることが非常に重要だ」と戦略国際問題研究所のセス・ジョーンズは指摘する。
戦争は今も続いている。ロシアは水曜日にまたウクライナを攻撃し、標的の一つは幼稚園だった。ビデオには燃え上がる幼稚園の建物から子供たちを抱えて逃げる親たちの姿が映っていた。
* * *
サハリン2をどうするか
トランプ大統領は10月22日、ウクライナ戦争に関連してロシアの石油最大手の2社、ロスネフチとルクオイルに制裁を課すと表明し、ブダペストで開催予定の米ロ首脳会談は中止すると述べた。
