状況に適合し始めた米印関係
何が起きつつあるかといえば、あまり宣伝しないようにしてはいるものの、インドのモディ政権は、アメリカのトランプ政権の意見を受け入れ、ロシアからの原油輸入を最小限にし、代わりにアメリカからの原油輸入を増やしつつあることになる。
それだけでなく、米印は、その他の協力も再開しつつあるようだ。マレーシアを訪問したアメリカのヘグセス国防長官とインドのシン国防相は、今後10年間を念頭に置いた防衛枠組み協定で合意した。本来は、今年の夏に予定されていた協定だが、最終的に締結されたのである。
まだ米印間の関税交渉は、まとまっていないし、11月にデリーで予定されていた日米豪印4カ国の枠組みQUAD(クアッド)の首脳会談も実施されず、来年実施されるかどうか、といった情勢になりつつある。そのような中でも、ロシアからの原油輸入の問題、防衛協力などが進み始めている。米印関係は徐々に、新しい状況に適合し始めた、といえよう。
