2025年12月6日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年11月13日

 フクヤマの言う通りだと思う。21年1月6日の議会乱入や24年選挙が思い出される。インターネットの時代は、民主主義の危機の時代になる。

 第一に、人の動員がいとも容易にできる。そこに陰謀思考や煽動の危険が潜む。第二に、嘘の情報が注目をされ易くなる。それに一層多くの人が注目し、社会が動く。第三に、情報の質を維持するために何が必要かを考えることが大きな課題となる。

 今や、真実の情報の伝達が一層重要となる。ネットの世界は、発信の競争の時代でもある。質量両面の発信の闘いになるのではないか。

既存メディアの大きな役割

 ポピュリスト的情報に対抗して正しい情報を発信しないと負ける。大手のメディアや TV局等の役割は重大である。

 日本にあっては、特にNHKが、大衆迎合にならないで、ポリシーを持って役割を果たすことが求められるのではないか。また、ネットの公的規制についても、表現の自由とのバランスを図りながら、欧州等他国の経験も参考にしつつ、検討していくべきだろう。

 子供を守ることや子供に正しいネット利用を教えることも、重要だ。トランプ政権の考え方や同政権下で米ネット業界はそれまでの自主規制措置を撤廃してしまったが、ネットや広告業界の自主的な規制も必要だろう。

民主主義が SNSに呑まれる日▶アマゾン楽天ブックスhonto
Facebookでフォロー Xでフォロー メルマガに登録
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る