沖縄にオープンした「ジャングリア沖縄」。その名の通りジャングルを模した空間で恐竜に出会うなどするテーマパークだ。評判は様々だが、こうした施設の誕生で筆者が考えるのは、「日本で森林リゾートや森林レジャーは根付くのだろうか」という点である。
というのは、日本人はリゾートと聞けば海浜や高原のイメージを持っており、森の中で遊ぶ、のんびりするという行為には結びつきにくいと感じていたからである。森林公園に行っても、肝心の森の遊歩道にはあまり人影がない。むしろ森とは別に設けられた芝生の広場などに人が集まっている。森林レジャーも、森林浴などは提唱されているが、ハイキングや登山の延長になりがちだ。
日本人は、森が苦手ではないか……そんな思いを持っていたが、近年ようやく森林を対象にしたレジャー施設が増えつつある。たとえば「フォレストアドベンチャー」「ボウケンノモリ」などと呼ばれる樹上のアスレチック施設は、全国に50以上誕生している。
新たな「樹上リゾート」
今回紹介したいのは、奈良県十津川村「21世紀の森・紀伊半島森林植物公園」内に建設された「空中の村」だ。森の中で身体を動かすレジャーではなく、樹上に設けられたデッキやネットの張られた場で、ゆったり過ごすことが売り物だ。
樹上と言っても、斜面を利用して谷に吊り橋を掛ける要領で展開しているので木に登るわけではない。それでも高いところは地上10mぐらいある。
