2025年12月10日(水)

Wedge REPORT

2025年11月18日

 実は「フォレストアドベンチャー」も「空中の村」も、発祥はフランスだ。ジョランさんも、フランスから職人を呼んで建設した。

森へのイメージを変えられるか

 樹木に過度な負担をかけずにデッキやネットを設置する技術を取り入れている。今ではジョランさんが各地で森林レジャー施設を建設する際のアドバイザーになっている。

 日本人は、森を神隠しにあったり妖怪が出たりする世界という意識があるのかもしれない。今ならきつい登山のイメージやクマなど猛獣が出る心配をしてしまいがちだ。

 樹上のリゾートは、そうした日本人の森林観を変えられるだろうか。そして森林に新たな利用を生み出し、地域活性化につなげられることを期待する。

 ジョランさんは、将来を手放しで楽観していない。

「山奥ですから交通の便が問題になります。それに冬は寒いため12月~3月は閉園します。雨だと客はなかなか来ないし、暑すぎる夏も困りますね。気候変動で台風などが増えたら樹木も傷むし、メンテナンスが欠かせない。人口減少も進む中で来客を増やすにはどうするべきかを考えています」

 不利な要素はいろいろあるだろう。とはいえ日本唯一の施設であり、日本の樹上リゾートの先駆け的存在だ。日本の森林、日本の林業をなんとかしたいと言う前に「まず森を好きになってもらう」という言葉を改めてかみしめた。

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