2022年12月6日(火)

Wedge REPORT

2014年7月7日

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 安倍政権は成長戦略で原発を含むインフラ輸出を目論んでおり、首相によるトップセールスも展開している。「中国は日本の7割ぐらいの価格で建設できるでしょう」(前出の郭教授)という通り、コストで中国に対抗するのは難しいが、技術力に一日の長がある今はまだ勝負になっており、実際にトルコから受注を果たした。しかし、技術力で上回られた暁には、輸出が極めて困難になるのは想像に難くない。

海外メディア初
建設中の最新鋭原発取材

 山東半島の東端に位置する山東省栄成市。漁業の町らしく黄海へ向かう片側2車線の道路の歩道側1車線には、アスファルトを覆い尽くすように海藻が数百メートルにわたって干してある。「これは対岸の韓国に送って化粧品にするのよ」この土地の住民だというおばさんが教えてくれた。近くの高台に目をやると、のどかな土地に似つかず、武装警察が目を光らせている。

 ここには世界の原子力関係者が注目する、中国原子力躍進の象徴がある。電力会社である中国華能集団公司(華能集団)のグループ企業が建設を進める石島湾原発である。

石島湾原発のゲート。「華能山東石島湾原子力発電所」と書かれている
(Wedge)

 原発というと水を冷却材として用いる軽水炉が知られているが、山東省に建設中の原発は、高温ガス炉と呼ばれるタイプのものである。仮に電源供給が止まったとしても、自然に止まって冷え、炉心溶融を起こさないという安全性の高い原発である。アメリカ、韓国なども研究開発を進めているが、もっとも研究が進んでいるのは実は日本で、茨城県大洗町に日本原子力研究開発機構の有する高温工学試験研究炉がある(高温ガス炉の詳細は本誌参照)。

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