2025年12月14日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年12月3日

 ウォールストリート・ジャーナル紙コラムニストのミードが、11月10日付け論説‘Trump Gambles on Africa’で、米国は資源獲得や影響力維持のためにアフリカに関与せざるを得ないが、トランプは、キリスト教徒保護を掲げて、外交目的実現と国内支持獲得の双方を狙っている、と分析している。要旨は次の通り。

(ロイター/アフロ)

 トランプ大統領は、「アメリカ・ファースト」に集中し海外の紛争から手を引くことを求める新孤立主義の「抑制派」を戦慄させ、同時に、往年のグローバリスト的な外交エスタブリッシュメントの残党に困惑と失望の声を上げさせた。

 すなわち、トランプは、キリスト教徒が大量虐殺されていると言われるナイジェリアに対し、武力行使を行うとの脅しを繰り返し、アフリカでの人道的介入に乗り出した。ジョン・ボルトン以上に野心的であり、サマンサ・パワー(バイデン政権下のUSAID長官)もこれ程多くのエネルギーを人道的介入につぎ込まなかっただろう。

 トランプは少なくともいくつかの事実について方向性を指し示している。アフリカ大陸全体のキリスト教とイスラム教の間の競争は世界的に重要だ。

 宗教人口統計は不正確だが、信頼でき広汎に使用されている推計によれば、サハラ以南のキリスト教徒の数は1910年の約850万人から、2020年には6億9700万人以上に増加している。その一部は人口の自然増を反映しているが、現代における最も重要なアフリカの社会変動は、大陸全体でのキリスト教の爆発的な成長だ。


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