5月22日付Financial Times紙で、Philip Stephens同紙副編集長が、インド、日本、ロシア及び中国というアジア4大国でナショナリズムが高まっていることは危険なことである、と述べています。
すなわち、インドの新首相選出により、アジアの四大国が何れも戦闘的なナショナリストにより指導されることとなった。
インドのナレンドラ・モディ新首相は、経済成長の加速と生活水準の向上を公約したが、モディ氏の野心は国内に留まらず、インドはグローバルな舞台で中国と対等であるべきだと主張している。
中国の習近平主席は、中華帝国の過去の卓越した地位を回復したいと望んでいて、鄧小平の慎重姿勢を捨て、中国の力に対する十分な敬意を要求している。
日本では、安倍総理の経済政策が中国に対抗する国力を回復する決意に基づき推進されている。
アジアでの4人目のナショナリスト指導者プーチンは、ウクライナへの軍事介入により、協調的国際秩序を侮った。
安倍総理とモディ首相は心情も目標も一致していると言われる。日印首脳会談は大きな戦略的取引となろう。日本はインドの経済発展を加速するための技術と投資能力を持っている。他方、インドは、中国を封じ込める上で強力な同盟国となり得る。日印両国とも、中国との領土問題を抱えており、また、インド洋における中国の海軍力につき懸念を共有している。
日中関係は最悪状態にある。中国は尖閣諸島への領有権を主張している。安倍総理は靖国神社を参拝し、修正主義的姿勢を示した。日本の同盟国である米国のオバマ政権は、日本の自重を求めつつ、中国の抑止に努めている。
プーチンは西側と対決した後、東に目を向け、北京を訪問して、大規模なガス供給取引に決着をつけた。ロシアにとって、この契約の狙いは、西側に対し、炭化水素資源の販売先は他にもあること、また、興隆する世界にロシアが強力な友邦を持つことを示すことにあった。