2026年1月9日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年1月6日

 EUの超国家性や気候変動、米テック企業の規制等のリベラルな政策や今やその価値観や文化までが気に入らないようだが、おかしなことだ。欧州を「文明の消滅」に直面しているとさえ述べる。

 しかし、欧州をこのようにいじめて、何になるのか、全く分からない。トランプは常に敵を必要とする人間で、中露を敵にしない代わりに欧州を敵にしているのだろうか。

 仮に、トランプが欧州等との同盟重視の政策を取っていたならば、今や西側は政治、経済的に盤石で、反対に中ロは守勢に追い込まれていたのではないだろうか。トランプの主権万能論も一方的で、歴史の流れに反する。それではホッブズの世界への回帰だ。

 さらに、NSSはモンロー主義(「モンロー主義のトランプ補論」)や勢力圏を構想しているようだが、今の時代に実現可能性はない。トランプのモンロー主義は、原則なき介入拡大主義と裏腹だ。

その他の部分はおとなしい

 非常に攻撃的な総論や欧州批判に比べ、その他の部分はおとなしい。ロシアや中国に関する部分は、ソフトで、おざなりと言っても過言でない。「中露の脅威」などといった言葉はない。

 その証拠に、ロシアはNSSを評価している。中国については、ベッセントら貿易・経済派が批判を抑えたのであろう。

 台湾について、抑止力の維持と「台湾海峡の一方的現状変更への反対」を述べたことは評価してよい。第一次列島線内の侵略は阻止するという。

 クアッドへの言及自体も評価される。そうであれば早く米印関係を正常化すべきだ。

北朝鮮や非核化への言及はない。また、日本等には防衛費の増額を求めている。

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