企業は社会に利益を与える
企業は、「私益のための装置」ではない。「社会的富の創出装置」である。企業はしばしば「営利を目的とした社団」と定義される。しかし、この場合の「営利」とは、私利私欲を意味しない。
企業とは、経営者や株主の利益だけを目的としているのではなく、社会全体の利益をも目的とする。そこにこそ、企業の社会的責任がある。
企業活動によって、雇用が生まれ、資金が支払われ、技術とノウハウが蓄積される。税が納められ、社会保障制度が維持され、社会全体が豊かになる。これが、産業のもつ社会的意義である。
換言すれば、企業が健全に活動して初めて、日本社会は成り立つ。そのためには、労働者が働き、価値を生み出す循環が維持されなければならない。
休職ビジネスは労働者を職場から排除する
休職診断書は、労働力を生産過程から切り離す。何も生まない。それは、労働者を職場から排除し、生産活動から離脱させ、代替的な価値を創出しない。
休職ビジネスを推進するメンタルクリニックは、復職を支援しない。再就職も支援しない。むしろ、退職へ、離職へと促す。
労働者が本来有するはずの富創出能力を、産業社会から奪い去る。しかも、これらのクリニックは、企業の付加価値を高めない。労働者のスキルも高めない。生産性も向上させない。
雇用制度を崩壊させ、既存の社会保障制度を横取りする。産業社会にとって、不毛なコスト以外の何ものでもない。
これらのクリニックは、勧善懲悪の正義感を振りかざす。「会社は悪」、「働けないのは会社の責任」、「休む・辞めることこそ自己防衛」と主張する。しかし、本邦に数百万と存在する会社のすべてがブラック企業であるはずがない。
休職ビジネス利用歴があれば、企業は採用を絞る。企業にとって人材養成はリスクとの衡量となるが、採用時に休職歴がある労働者に対しては、正規雇用に慎重になる。
結果として、職場は短期的・消耗的になり、労働者は「逃避」するか、「使い捨て」られるか、のどちらかとなる。人材は育たず、富は生み出されない。
休職診断書ビジネスは、社会保障制度に参入し、長期間にわたり、緩慢に、しかし、着実に財源を食いつぶす。企業から社員を奪い、休職させ、退職へと追い込み、医療・福祉・年金・生活保護等の社会保障なくしては生きられない存在に貶める。しかも、その全過程を通じて持続的に診療報酬を得て、定期的に文書料を徴取し、長時間かけて、緩徐に、しかし、システマティックに社会保障費を奪っていく。
