2026年1月23日(金)

医療神話の終焉―メンタルクリニックの現場から

2026年1月23日

経営者は社員を守ることを

 富を創出する唯一の主体が企業である。その企業から人を切り離し、労働力を奪い、社会保障制度に依存させるビジネスが拡大すれば、雇用は不安定となり、社会は貧困化し、真の弱者は守られない。ここに休職ビジネスの反社会性がある。

 経営者が守るべきものは何か。それは、企業が人材を育成し、人材が富を生み、雇用が収入をもたらし、社会の富をも生み出す循環である。

 このサイクルを、「こころのケア」の美名のもとに断ち切るものが、休職ビジネスである。産業社会日本は静かに、しかし、確実に衰退していく。

 経営者は、自身の人事権が蹂躙されることを恥としなければならない。経営者にとって、自身の目的は、社員と協力し、企業の社会的責任を果たすことである。

 経営者が診断書ビジネスから奪還すべきは、第一に自身の人事権であり、第二に社員の未来である。それは中長期的には日本の社会保障制度を守ることにつながる

休職ビジネスの被害者は休職者

 なお、Wedge ONLINEで休職ビジネス問題を扱うにあたって、精神医学・医療関連の諸学会・諸協会の重鎮とは事前に討議した。「良心的な医療を行っているメンタルクリニックも存在する。それらが、悪辣な診断書ビジネスを展開する一部のクリニックと同一視されないために書く」という原則をお約束した。

 本稿の目的は、精神科医療を貧困ビジネス化する構造に注意喚起することである。メンタルクリニックを十把一絡げに批判することではない。休職者のすべてを断罪することでもない。休職者は、むしろこのビジネスの被害者である。

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