対象は人件費や福祉費、継続事業など義務的経費に限られる。新規事業は原則として計上されない。公立小学校の給食費無償化など、与野党一致しそうな、そして年度当初から実施しないと意味がない新規事業は、与野党が一致すれば例外的に組み込まれるかもしれない。
国が暫定予算であっても財政力の強い大きな自治体は、本格予算を組むだろう。国の新規事業についても、いずれ近いうちに国会で成立すると見込んでそれらを盛り込んでおいて、細かいところは後日、修正すればいい。
しかし財政力が弱く、自前の税収入で行政サービスを賄えず、国の地方交付税や補助金に頼る自治体にとって、国が暫定予算を組むのは大きな痛手となる。いわゆる骨格予算を組み、国の本格予算が成立してから自分のところの本格予算を編成し改めて議会に提案する自治体も出てくるだろう。特に新規の地方創生事業やインフラ整備については後回しにせざるを得ない自治体も多いと見込まれる。
財政力の弱い自治体は職員数も少ない
そもそも、財政力の弱い自治体ほど職員組織も手薄である。職員定数条例で定められた職員数を割り込んで欠員が生じている自治体も少なくない。定数の3分の2程度しか確保できていない町村もある。
総務省の25年地方公共団体定員管理調査結果によると、全国の自治体の一般行政部門の職員数は、約30年前の94年に比べて約19%減っている。小さな自治体にとっては2回にわたる予算編成と予算議会自体、大きな負担となる。
国は職員数も豊富で巨大だが、財政力には疑問がある。財政規模は大きいが借金財政だ。昔、東京都の石原慎太郎知事が「親(政府)が子ども(東京都)の財布に手を突っ込んでいる」と文句を言ったことがある。
特別区長会によると、国による、都を狙い撃ちにした税制改正による23区への影響額はこの10年で約2兆3000億円に達するという。おかげで首都のインフラ整備や防災が進まない。
積極財政という掛け声が借金財政と聞こえるくらい、国は赤字財政である。しかもその借金をかさねるため赤字国債の発行を認める特例公債法がこの3月で失効する。この期限をさらに延長する改正法案が選挙後の国会ですぐに通るとはとうてい考えられない。
