2026年2月26日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年2月26日

 この薄汚い状況をCEO達は知って知らぬ顔をしているべきではない。ヘッジファンド・シタデルのケン・グリフィンに倣って、「逸脱の正常化」という現下の危険な状況に声を大にして挑戦すべきである。それがこの論説の警告である。

議会も無力

 しかし、CEO達は知らぬ顔どころか、トランプに接近して媚びを売る者すらある。Amazonのジェフ・ベゾスはトランプとの過去の不仲を解消することに決めたらしい。就任祝賀行事に寄付をした。ホワイトハウスに宴会場を新築するトランプのプロジェクトにも資金を提供した。

 トランプ一族の究極の「self-dealing」は1月30日公開のドキュメンタリー「メラニア」の配給権をAmazonが4000万ドルの破格の額(Disney が提示した額は1400万ドル)で買ったことである。売り込みにさらに3500万ドルを使うという。

 ベゾスはAmazon傘下のWashington Postにカマラ・ハリスを支持する社説の掲載を取り止めさせ、その後トランプ政権批判を封じるような編集方針を指示したことがあるが、その後、編集部と対立が続いている模様である。

 CEO達の振る舞いは何とも情けなくなったと思うが、トランプの怒りを買った場合に、彼等に加勢してくれる味方が見当たらないという事情は斟酌の要があろう。つまり、議会が無力だという、これまたワシントンで起きている深刻な問題である。

 悲観的なことを言えば、中間選挙で民主党が息を吹き返すのでなければ、CEO達が声を上げてトランプに抵抗することは難しいように思われる。

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