漁船に対しては、「漁船リース事業」と呼ばれる漁船建造に対する補助金が以前より存在しており、26年度予算(前年度補正含む)では124億5000万円が充てられている。しかし同事業の実施を通じて多数の漁業者が漁船を更新しようとしたことから漁船価格の高騰を招いたと指摘されている。
09年に発表された研究(Managi 2009)によると、漁獲総枠の設定や、この総枠を個別に割り当てることを通じて、漁獲能力を10分の1に減らすことができるとの結果が示されている。ざっくり言うと、効率的な資源管理を実施すれば、90%の漁船を減らすことが可能だ、ということになる。
裏返せば、現在の漁獲能力は過剰だ、ということになる。こうした中、徒に漁船に対する補助金を支出し続けることは、過剰な漁獲能力を温存することに繋がるのではないだろうか。
必要な予算の大胆な組み換え
資源管理予算の不足は、予算全体の増額を必要としてはいない。望まれるのは、大胆な組み換えである。
特に沿岸資源に対する手厚い資源調査・評価が欠かせない。資源管理に意欲的に取り組んでいる、あるいは取り組もうとしている漁業者を筆者は数多く知っている。しかし、いくら個人的に意欲的であったとしても、そもそもどのような取り組みが効果的であるのか、実際に取り組んだ資源管理措置は効果的だったのかについては、科学的調査・評価がなされなければ明らかにすることは困難である。そして現在最も資金的にも人員的にも足りていないのがこの分野である。
温暖化など環境の影響により、日本周辺でも水産資源がさらに減少することが危惧されている。しかし環境の変化を食い止めることは極めて困難である。
我々にできることは資源管理を徹底し、持続的な水産資源の利用を図ることしかない。国の予算はまさにそのために用いられるべきであるように思われる。
