2026年2月24日(火)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2026年2月24日

 協定が実効的か否かを評価するためには、漁獲対象とされている資源に対する資源評価が欠かせない。しかし資源管理協定に直接関係するものとしては26年度では「資源管理等高度化推進事業」項目下でわずかに7億5000万円の予算が計上されているに過ぎない。減収補填補助金の343億円と比較するとアンバランスと言わざるを得ない。

漁港整備という「政官業のトライアングル」

 水産予算で最も比率が高いのが、漁港整備などの公共予算であり、水産予算全体で4割を占めている。18年度には866億円だったものが、26年度予算では1309億円、実に443億円も上乗せという激増ぶりである。

 こうした漁港整備は典型的な「政官業のトライアングル」とも言える。所管は水産庁の漁港漁場整備部で、漁港整備に直接関連する業界団体(全国漁港漁場協会、全日本漁港建設協会、漁港漁場漁村総合研究所、水産土木建設技術センター)のトップはいずれも漁港漁場整備部長を経験した水産庁OBの天下りで占められ、自民党の「漁港漁場漁村整備促進議員連盟」は毎年予算の時期になると漁港予算の満額確保を求め精力的に関係各所に働きかけている。

 地方に行くと、水揚げ規模には不釣り合いなほどに整備された漁港がしばしば存在するが、一般人は漁港内には立ち入らないため、その実態が知られることは滅多にない。過疎化し切った漁港を盛んに整備する必要があるか甚だ疑問である。

北海道内のある漁港。係留する漁船はまばらだが、整備工事が盛んにおこなわれている(筆者撮影)

過剰に過ぎる漁船建造・操業補助金

 水産予算は当初予算と補正予算により構成されているが、この水産予算以外に水産業に充当されるものとして復興庁計上の東日本大震災復興特別会計からのものがある。水産庁が公表した26年度水産予算の概要に記載されたものを合計すると286億円に上る。

 このうちの7割、201億円が充当されているのが「漁業・養殖業復興支援事業」という項目で、漁船の導入等に関して、燃油代・餌代などの運転経費や、消耗品・修繕費・人件費といった操業費用経費を助成・補助するものとなっている。しかし、水産予算には内容的には非常に似通っているが、対象が被災地域に限定されない「漁業構造改革総合対策事業」というものがあり、26年度では70億円の予算が充てられている。

水産庁「令和8年度水産予算の概要」での復興庁計上「漁業・養殖業復興支援事業」(左)と本予算「漁業構造改革総合対策事業」(右)説明のための図解。スキームが似通っていることがわかる 写真を拡大

 確かに東日本大震災により三陸沿岸域は甚大な被害を被ったことには疑いようがないが、震災からすでに15年近くが経過している。一部の漁業者の操業に対して手厚い補助金を充当することは、その他の競合する漁業者を競争上で相対的に不利な立場に置きかねない。


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