巣藤の学校の女生徒・芳沢亜衣(中村ゆりか)が、ラブホテルで一緒に入った男性を灰皿で殴った事件で、氷崎はその芳沢を保護する。
芳沢は、巣藤に暴行されたと嘘をつき、彼は警察の取り調べを受けるが、事実関係が明らかになって放免される。
リスト・カットを繰り返す芳沢の家庭の真実もこれから、明らかになっていくのだろう。
現代の家族の問題は
観客の共感を得られるか
家族をめぐる深刻なドラマの進展のなかで、脚本はほろ苦いユーモアを織り込んで、家族のありかたをいまさらながら考えさせられる。
氷崎の父は、徘徊しているときに、巣崎と知り合いになる。雀荘でマージャンを伴にし、氷崎の自宅にいって将棋を指している。
巣崎は「アルツハイマーではない。家族がかまってあげないからそうなる」という。
マージャンのシーンで、父親は勝ち続け、点数の数え方も早い。
彼は家族に向かって言う。
「きょうは頭の霧が晴れているから、遺言をいっておく」といって、娘と妻にこれから自分を捨てて自由に暮らすようにいうのだった。
「家族狩り」は視聴率も10%を超えて順調な滑り出しである。サスペンスとしての面白味だけではなく、さまざまな現代の家族の問題を取り上げるテーマに、観客が共感できれば、夏の改編ドラマの佳作となるだろう。
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